自民党・安倍派の裏金事件で逮捕された池田佳隆衆院議員。地元・愛知の人々は、どう受け止めているのか――
7日、政治資金規正法違反の疑いで逮捕された衆議院議員の池田佳隆容疑者(57)。政策秘書で会計責任者を務めていた柿沼和宏容疑者(45)も、逮捕されました。
2人は2022年までの5年間で、自民党の安倍派からパーティー券の販売ノルマを超えて集めた分の約4800万円がキックバックされたにもかかわらず、収支報告書にうその記載をした疑いがもたれています。
その後の関係者への取材で、池田容疑者が証拠資料の廃棄を秘書らに指示していたとみられることもわかりました。
「民主王国」で辛酸
池田容疑者の初当選は2012年。「民主王国」といわれた愛知で立候補し、自民党として初めて、3区で勝利しました。
20代の頃、父親が経営していた化学薬品メーカーを継いだ池田容疑者。会社経営者らでつくる名古屋青年会議所の理事長を経て、日本青年会議所で会頭を務めていた時に安倍元総理と知り合い、政治家を志したといいます。
自民党が政権に復帰した2012年、「安倍チルドレン」の1人として出馬し勝利したものの、その後、3度行われた衆院選では小選挙区で敗れ、比例での復活当選となっていました。
「お金集めばかりして…」
パーティー券を売ることで、派閥での存在感を示そうとしたのでしょうか。
愛知県内のある会社経営者は、池田容疑者がパーティ券を販売していたのは主に、青年会議所の関係者だったのではないかと話します。
愛知県内の自民党議員からは、こんな声が――
「政治家として地元のために汗をかかなければいけない。それが選挙区で当選するために必要なのにお金集めばかりして、どこを見ていたのか。自分の上の立場しか見ていなくて、パー券を一生懸命売っていたのではないか」
また地元・愛知県内の有権者からは、怒りの声も上がっています。
「がっかりです。本当にがっかりです」「私は最低だと思う。みんな苦労しているときに、政治できちんとやらないといけないのに逆のことをやっている」(地元の有権者)
「議員がもっとちゃんと尊敬されるように」
去年11月に裏金問題が報じられて以降、国会を欠席していた池田容疑者。年末、事務所に家宅捜索が入っても、公の場で説明することはありませんでした。そして元日も、毎年参拝に訪れていたという名古屋市内の神社に現れることはありませんでした。
自民党愛知県連は池田容疑者について、7日付けで愛知3区の支部長を解任しました。今後、池田容疑者のキックバック問題に地方議員が関わっていないかヒアリングを行うとしています。
「これまでも姿を見せずに説明されなかったということで、国会議員としてあるまじき行為。悪い事をしたから説明できなかったと思われても当然仕方ない。普通はまず離党、さらには議員辞職するのが当然だが、自分自身の出処進退の推移を見極めながら、県連としても今後の取り組みをしっかりと進めていきたい」(自民党愛知県連・丹羽秀樹会長)
愛知県の大村秀章知事や名古屋市の河村たかし市長からは、政治への信頼回復を求める声が上がりました。
「国民の皆さんの間で政治の不信が言われている。自民党あげて、政治の信頼回復に努めていただきたい」(大村知事)
「日本中(裏金を)なくして、議員がもっとちゃんと尊敬されるように。そういうことしませんと言ってるだけじゃだめです」(河村市長)
(1月8日15:40~放送 メ~テレ『ドデスカ!+』より)